昔から伝わる日本の行事の一つである、節分。
節分の豆まきと言えば、「鬼は外、福は内」という掛け声と共に豆をまくというのはどのご家庭でもやられていることかと思います。
確かに「鬼は外、福は内」と言いながら豆まきするのは正しい方法ではあるのですが、これだけじゃないんですよ。
毎年、何気なく行っている節分の豆まきですが、せっかくの日本の伝統の行事ですから、「正式な豆まきの方法」を知っておきたいですよね。
豆まきの正しいやり方と楽しみ方
では早速、豆まきの正しいやり方を説明したいと思います。
1.福豆を準備する
まず、節分に欠かすことのできない福豆を用意しましょう。
豆まきに使用する大豆は、必ず炒った豆を使用します。
炒った大豆を用いるにはきちんとした理由があり、炒っていない生の豆を用いると、豆まきをしたときに拾い忘れると、大豆から芽が出てしまうと縁起が悪いとされているため、炒った豆を用いるようになりました。
豆まきは邪気を追い払うための行事のひとつで、豆まきのときに使用した豆から芽が出てしまうと、悪い運が芽生えてしまうというように考えられて来たのです。
また、大豆には、邪気を追い払う力もあるとされていることから、大豆が用いられるようになりました。
自分で大豆を炒るのは面倒という人が大半かと思いますので、市販の福豆で問題ありませんよ。
2.豆をお供えする
炒った豆の準備ができたら、節分当日の夜まで炒った豆を枡(ます)や三方(さんぽう)などに入れ、神棚にお供えします。
神棚がないご家庭では、棚の上など目線より高めの位置に置いておくと良いそうですよ。
3.豆まきをする人
本来、節分では豆まきをする人が決まっています。
豆まきをする人は、一家の主やその年に年男や年女、または厄年の人がいればそのような人たちが豆をまくのが良いと言われています。
お父さんが鬼の役をしているご家庭も多いのではないでしょうか。
今年からは、お父さんも豆をまく人になりましょう。
年男や年女などは縁起が良く、更に邪気を追い払う力も強いとされています。
厄年の場合は、厄払いの意味を込めてまくと良いと言われています。
4.声をかけながらまく
節分では「鬼は外」、「福は内」と声をかけながら豆をまきます。
「鬼は外」のかけ声では、窓や玄関を全開にしてまくようにします。
戸や窓が閉まったままでは、悪い運が閉じこもってしまうので、窓などを開けてから豆まきをしましょう。
鬼は外と豆をまいたら、鬼が家の中に戻ってこないように、窓や玄関などを閉めます。
窓を閉めた後で、「福は内」と声をかけ家の中にまくようにします。
5.豆をまく順番
(1) 玄関の内側
「鬼は外」と3回声をかけながら、玄関の内側から外側に向かい豆をまきます。
(2) 各部屋の窓
(1) と同じ要領で、部屋の窓から外に向かってまきます。
(3) 玄関の外側
各部屋が済んだら玄関に戻り、外側から内側に向けて「福は内」と3回声をかけます。
(4) 各部屋
各部屋にまく場合は、入り口に近い所から部屋の中央に向かってまきます。
豆まきをする時間やタイミングは?
通常豆まきは夜に行いますが、何故夜に行うのかご存知でしょうか。
夜に行うのは、鬼は夜にやってくると言われているためのです。
その昔、鬼は丑寅(うしとら)の時間帯(現在の午前2時から午前4時頃)に現れると言われていたため、鬼が現れる夜に豆まきが行われるようになりました。
とはいえ、深夜は近所の方が寝静まっている時間帯なので、家族が帰宅して家族全員が揃った時間に始めると良いでしょう。
始める時間は夕方や夜であれば、それほど厳密な決まりはありませんので、家族の都合に合わせて豆まきを行ってくださいね。
豆まきの後の豆の食べ方
豆まきが終わったら、1年の無病息災や厄除けを願いがら福豆を食べます。
歳の数分食べると言いますが、ここでいう歳とは数え年です。
つまり、自分の満年齢にプラス1をした数になります。
また年齢が高い方は多くの豆を食べきれないという方もいるはずです。
その様な方には、歳の数の豆を食べることと同じ意味を持つ「福茶」を飲むのがおすすめです。
<材料>
・福豆(3粒くらい)
・昆布(少量)
・種抜きの梅干し(1粒)
・熱湯や緑茶180㏄
昆布は塩昆布や昆布の佃煮でもOKです。
<作り方>
材料を湯飲み茶わんに全部入れて緑茶や熱湯を注げば出来上がりです。
まとめ
豆まきのやり方などについて紹介しました。
日本には昔から伝わる年間行事が多くありますが、意味や方法を理解しながら行っている人は少ないはずです。
豆まきにもきちんとした方法があるので、今年はここで紹介したようなやり方で豆まきを行うのも良いでしょう。
また、豆を食べながら子供に豆まきの習慣について伝えるのも良いですね。